東条家との、出会い。~社長室・特別編~
健斗さんとのこれまでを思い浮かべると、どれだけ月日を重ねようとも心は高鳴って。
今も世界を飛び回る貴方に、無性に会いたくなって仕方無いのよ…?
あの日、貴方が私にプレゼントしてくれたモノ、それは…――
【お食事でもいかがでしょうか?
ご連絡お待ちしています】
綺麗な文字で綴られていたのは、そんな不器用なお誘いの言葉と連絡先。
そしてもうひとつは、小さな椿の花が咲く鉢植えだった・・・
健斗さんてば、“私の気持ち”なんて遠回しに言ったものだから。
花に詳しくなかった私は、全然意味に気づけなかったのよ?
完璧な愛…、常に貴方を愛します…、そう言ってくれれば良かったのにね・・・
そんな少し不器用な貴方は、私にとって“完璧な魅力”を持つ最愛のヒト…――
「健斗さん、今日は電話に出られるかしら…?」
今日も椿の花を見つめながら、東条を守る貴方に想いを馳せているわ…――
【終】