東条家との、出会い。~社長室・特別編~
それ以前に、母親に向かって溜め息をつくなんて・・・
「まっ、溜め息つくなんて失礼だわ…!
蘭ちゃん、拓海って本当にツマンナイわねぇ?」
親不孝者の息子を一瞥して、蘭ちゃんに同意を求めようとすれば。
「ハイハイ、お好きなだけ言って頂いて構いませんよ…。
今日の帰りは蘭とデートですから、帰りませんし――」
「・・・っ」
サラリと親の前で大胆発言をする息子に、顔を赤らめている蘭ちゃん。
どうやら隣に引き寄せられた彼女には、拓海の表情が見えてイナイようだけれど。
蘭ちゃんとこうして笑い合う為に、今まで頑張って来たからこそ。
貴方と結婚出来るコトが、拓海は嬉しくて堪らないのよ…?
どれだけ愛おしそうに見ているか、教えてあげたいわ…――