君の背中に
第1章

恋の終わり

「もう綾音、
 そんなに泣くことないでしょ?」

「だってぇ…」

「たかが振られたぐらいで
 そんなに弱気にならないの!」

「まだ2カ月しか経ってないんだよ?」

「どうせ別れるなら
 思い出は少ない方がいい、
 綾音前まで言ってたじゃん」

「でも実際味わってみると
 それが結構辛いんだって」

「それは分かるけど…
 2時間泣いたら泣き止みなよ」

「分かった…
 って里央、もうこんな時間!?」

私はさっき失恋した。
つい2時間ぐらい前に。


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