君の背中に
―そうだ。


「あっ、久しぶりついでに
 相談っていうか…あるんですけど」

「ん?
 もしかして恋の話とか?」

私のじゃないんだけど
そういう事にしよう。

「そうなんですよね、
 メールで仲良くなった子に
 この前告白されたんですけど
 自分の気持ちがわかんなくて」

里央の目を見た。
これは私の話!と目で訴えてみた。


「話せばいいじゃん」

「あっ、そうか」

「ははっ、若いな綾ちゃん」

伶くんは笑った。
笑ってるのを見るのも久しぶりだな。
前よりカッコよくなってる気もした。


「じゃっ、頑張れ
 俺なら相談ぐらい乗るよ…
 …こんなに老けちゃったけど」

伶くんは部屋を出て行った。


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