君の背中に
家に着いたら7時だった。

「ただいま」

「姉ちゃん、お母さんが遅いって怒ってる」

小4の弟の勇喜(ユウキ)だ。


「お母さんごめん!
 里央の家にいた!」


「ホント…彼氏じゃねぇの?」

弟がニヤリと笑った。
相変わらず生意気だなぁ…
振られたばっかりなんだけど。

「だからいないって、そんなの」

「ふーん?」

「里央の家にいたの」

「お母さーん、姉ちゃんが」

ああうるさい。

「ホントだって、
 あっ、伶くんもいたよ?」

伶くんに相当なついてたから
これで大人しくなるはず。


「マジ?
 伶くんと遊びたい」

「頼んどいてあげるよ」

弟には悪いけど、これは出まかせ。
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