君の背中に
「さすが、お幸せにねっ!
 …じゃぁ1人なの私だけかぁ」

ため息をついてみる。

「大丈夫大丈夫、綾音可愛いし乙女だし」

「オドオドしてるだけだって」

「そういうところを男はさ
 守ってあげたくなるんだよね、妹みたいで」

「妹って恋愛対象外じゃん!」

「でもお兄さん的な存在を好きになるって
 よくあるパターンだし、逆もアリだよ」


その「よくあるパターン」に
自分が入ってるかどうかなんて
今の私には分からない。

なつみが言ってくれてることが本当で
もしその逆もアリなら良いけどな…って
ちょっとは思ったけど。

それって好きってことでしょ?
自分の声が聞こえた気がした。

どうしたらいいかよく分からずに
私は自分の声を封じ込めた。

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