君の背中に
「じゃぁ、5時まで特訓すっか!
 あっ、綾ちゃんもやってく?」

「姉ちゃん超下手だよ」

「失礼でしょいくらなんでも」

「え?体育“2”じゃなかったっけ」

「んな事ここでバラさないの!」

「変わってないね」

伶くんは笑った。

「鬼ごっことかで鬼になるとさ
 終わるまでずっと鬼だったよな」

「ダッサ、こいつ」

「でも絵だけは昔から上手だった」

「絵だけはってなんですかっ」

ひどーいと抗議しながら
あっ、覚えててくれたんだと
小さなことだったけどとても嬉しかった。

でも運動音痴じゃダメかなとか
少し考えたりもした。

やっぱり…好きなんだ、伶くんのこと。

小さく確信した。

< 37 / 86 >

この作品をシェア

pagetop