君の背中に
次の日も里央とは気まずいままだった。

1言も話していないまま、
6時間の授業が終わった。

今日は部活で作品を仕上げる。

沈みそうな夕陽に向かって
子どもたちが走っている絵。


いつかの私たちに似ている気がする。


でも、そんな絵を描ける気分ではなかった。


伶くんとは話していない。
里央とも気まずい。

…伶くんに会いたい。
里央にも謝りたい。

思っていること、全部話そうかな。


妹だから協力してもらおうとか
利用しようとかじゃなくて。

里央には気付かれたくないなんて
思った私が馬鹿だったんだ。

キャンパスに涙が落ちた。
…直さなきゃ。

でも、涙は止まらなかった。


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