君の背中に
「里央、おはよ」

「おはよう」

やっぱり冷たい気がする。
でも、ちゃんと伝えなきゃ。

「ごめん」

「…なつみから聞いたんだけどさ」

「そう、そのこと」

「誰かは聞いてないんだけどそれって」

「うん」

里央は名前は出さなかったけど
分かっているはず。

「…伶くん」

「何で黙ってたの、ウチに」

悲しそうな声だった。
私は何とか話を続けた。

「協力してもらいたいから
 里央と一緒にいるとか
 妹の里央を利用してる、みたいに…
 そう思われるの嫌だった」

ちゃんと言葉が続かない。
しばらく里央は黙っていた。

「言ってよね、何でも」

「ごめんね」


私が悪かったんだ。
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