君の背中に
ついに文化祭の日を迎えた。

今は縁日の受付をしている。

他の学校の生徒や
地元の中学生で
学校はとても賑わっている。

クラスの縁日も、かなり盛況だ。


「西井、交代」

男子に受付を代わってもらって
私は美術室に行く。

午前中いっぱい部活の版画体験、
午後からはまたクラスの手伝い。

里央は軽音楽部。
午後からライブがあるらしい。

それも見に行かなくちゃ。


そう思いながら歩いていると
1人の男の人を見た。

中学生でもなく他校生でもなく
ここの高校の生徒でもない
私の大好きな人―

癖のない黒い髪、
切れ長の目に
なんとなく里央に似た顔立ち。

伶くん、だった。
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