君の背中に
伶くんは美術室には来なかった。

―私は、ここにいるよ。

私が美術部なんて知らないのかもしれない。
それに来たら来たで
私は辛かったかもしれない。

あっという間に里央のライブの時間。
場所は体育館だ。

途中でなつみに会った。
翔吾くんも一緒だった。
久しぶりだったけど何も変わっていなかった。
そして変わらず2人は仲良しだった。

羨ましかった。



ふと、視界に何かが入った。
今度は1人でいた。

…伶くん。

何を見ているんだろう。
私が視界に入っていないのは明らかだったが。


「じゃぁ、後でね」

2人は歩いて行った。
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