君の背中に
「やっほー、また会ったね」

なつみたちに会った。
幸せそうだった。


「ごめん、兄貴と連絡付かないや」

そんな知らせを聞いたのは
手伝いに行く途中だった。

「トイレで何回か掛けたんだけど
 つながんなくて」

そっか。

「まぁ、また今度でいいや」

「頑張りなよ、綾音」


今からの時間を
どんな気持ちで過ごしたらいいんだろう。


縁日にはもう人がほとんどいなかった。
なんとなく寂しい。

違う、とても寂しい。
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