君の背中に
いいのかな、このままで。

…いいわけがない。
このままだったらずっと友達以下。
「里央の友達」でしかない。

それは少し考えれば誰でも分かる話。
とにかく何か行動しないと。


-決めた。

今は午後7時。


「里央、今から家行っていい?」

自転車を走らせた。


伶くんに会いたいから。
理由はそれだけ。

里央の家まで、まっすぐに。

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