君の背中に
「おじゃましまーす」

普段は誰もいない里央の家に
電気がついていた。

「今日お母さんいるの?」

「あっ、多分兄貴」

里央には5つ上のお兄さんがいる。
小さい頃よく遊んでもらった。
特に私の弟が
一番お世話になってたかもしれない。
確か名前は伶(レイ)くんだった。


「で、どうしたのさ里央」

「全然大したことないんだけど
 4組の北村くんって知ってる?」

「サッカー部…だったっけ。
 あの茶髪の子だよね?」

私は全く話したことはない。
確か最近髪を染めた。
知ってることは部活とそれだけ。

「そうそう、サッカー部」

「どうしたの、北村くんが」

「昨日メールくれたんだけど
 どう返せばいいかわかんなくて」


里央が携帯を開いた。

北村くんから来たメールには
たった一言だけ
「好きだ」と書いてあった。
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