君の背中に
チャイムが4時間目の終わりを告げる。

言われた通りに教室のない
屋上の手前の教材置き場に行った。

「昨日のメールのことだけど」

「うん、返さなくてごめん」

「俺、やっぱりお前が」

断る準備は出来ていた。

「好きだ」

少しの間沈黙が流れる。

「ごめんね」

「やっぱり駄目か?」

「巧生が先に振ったんでしょ、私のこと」

「あの時は悪かった」

「その子とお幸せに」

振られたことは知っている。
でも、私は巧生にとって
都合のいい女じゃないよって。

「じゃぁね」

すぐに教室に戻る。

はずだった。
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