君の背中に
「ごめん、難しいね」

「いや、ウチの方こそごめん。
 しっかり自分で考えなきゃね」


「でもやっぱ悩むって
 …伶くんとかに聞いた?」

「兄貴?」

「私は全然会ってないけどさ
 なんか経験豊富な気がする」

「それ相談しづらいって!
 綾音の弟はしないでしょ、
 綾音に恋愛相談とか」

「それもそうだね」


どうすればいいか分からず
2人の間に沈黙が流れた。

その瞬間―
部屋にノックの音が響いた。

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