表裏一体
一睡もできなかった…
体が重い…


「もう1時かよ」
浅い睡眠を繰り返し、午後1時になった

一日の半分を無駄にしてしまった…
今日は二時から海飛と遊ぶ約束をしている


朝兼昼食を食べて家を出る
さすが一月、寒い。


「おーい!かーなーとー!」

遠くで海飛が手を振っている

「おーぅ。今行くよー」




ぎし。




?なんだ 今の
床が抜けるような嫌な音は


その瞬間。
刹那。


止まった。
世界の時間全てが。

通行人も信号もなにもかも。
みんな石になったかのように。

「え…?」

そうだ、海飛は…

「海飛…おい!起きろよ!なぁ!」

必死で肩を揺らすが反応は無い。
世界に一人で取り残されたような孤独。

「こんにちは」


動いてる。こいつは動いている
「なぁ…なんなんだよこれ…」


「ははっ、あんたなんにも知らないんだーバカってべんりぃー」

イラつく。
こいつは敵なのか?


「なんかあんた哀れだから今回は手を出さないよー。よかったねー」


にこにこ笑っている
その笑顔がいらいらする


「ふざけんな」


その女の手を掴む
同時に360度回転させる
握力だけは自信があったから


「な…」

苦悩に歪んだ女の顔。

ふりほどかれた

「なんだ、ちょっとみくびってたよ。次はもっと強化してこなきゃ」


静寂にその声だけが響く。





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