さぁ、跪いて快楽を乞え!
「はい。そのまま歩いてください」

ヒールを履いて、頭に本を乗せる薫に、一定のリズムで手を叩きながら、歩く事を促す。

「むっ……無理……っ!」

慣れないヒールにより、脚はぷるぷると震え、本を乗せた頭は落とさないように、と動かせない。

「無理なんて言わずに進みなさい。……それともさらに乗せましょうか?」

「要らない! 大体そんなに要るか! 分厚い本ばかり選びやがって!!」

「ほらほら。無駄口を叩く暇があるならお歩きください」

そう言いつつ、橘が薫の頭にさらに傍らにあった本をもう一冊乗せる。

「っう!! 橘っ! お前が今乗せたのって!」

「何です? 軽い読み物でしょう?」

「アッーー!」
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