さぁ、跪いて快楽を乞え!
ずかずかと教室に入り、皆が薫が戻ってきた事に驚いているのも気にせず、男らしく乱雑に床に胡坐をかき、右手で頬杖を突く。

「そんなことすると、見苦しいパンツが全部見えるぞ」

「ほっとけ」

「橘さんに置いていかれたんだ?」

自分の隣に立っている菖蒲を上目で一瞥し、言う。

「……先に帰ってもらっただけだ」

「ふーん?」

「何だよ」

「いや、別に?」

「何かあるなら言え」

頬杖を突いていた腕はウィッグを取り、ウィッグをその辺に投げ捨てている。そんな薫に、絡まるからやめろ、と言い、はて? と自分が何を言いたかったか考える。
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