意地悪王子と天然彼女
「…おまっ!知らねぇ訳ねーだろ!?はぁ……どうすんだよ…」
『…………?』
「お前人の話聞いてんのか?良いから離せ。」
そう海が言った途端、亮平と言われた人はすんなりと離した。
「何?すっげぇ素直じゃん。」
「……あの…海さん……どうかどうか……!」
亮平と呼ばれた人はとにかく焦りだした。
「何?店には手ぇ出すなって?人の女には手出しておいて良く言えるな?」
呆れて何も言えないような顔で海は眺めている。
「彼女さんの事は本当に謝ります!だから…だから……。」
「謝っても遅ぇよ!ってかもうお前の店はどうなってるか分からねぇし……。」
「……そ…んな……。」
亮平さんはその場に足をついて崩れた。
「亮平…もう行こうぜ…。ここに居たって意味ねぇよ……。」
男の人は亮平さんを支えて歩いて行った。