意地悪王子と天然彼女



「…おまっ!知らねぇ訳ねーだろ!?はぁ……どうすんだよ…」


『…………?』


「お前人の話聞いてんのか?良いから離せ。」


そう海が言った途端、亮平と言われた人はすんなりと離した。


「何?すっげぇ素直じゃん。」


「……あの…海さん……どうかどうか……!」


亮平と呼ばれた人はとにかく焦りだした。


「何?店には手ぇ出すなって?人の女には手出しておいて良く言えるな?」


呆れて何も言えないような顔で海は眺めている。


「彼女さんの事は本当に謝ります!だから…だから……。」


「謝っても遅ぇよ!ってかもうお前の店はどうなってるか分からねぇし……。」


「……そ…んな……。」


亮平さんはその場に足をついて崩れた。


「亮平…もう行こうぜ…。ここに居たって意味ねぇよ……。」


男の人は亮平さんを支えて歩いて行った。




< 146 / 221 >

この作品をシェア

pagetop