意地悪王子と天然彼女

「…大丈夫か…？」


海はわざわざあたしの近くに来て心配そうに見る。


『…え…あっ…大丈…夫…。』


あたしは何よりここに来てくれた事がビックリしていた。


「…良かった……。」


そう言ってあたしの事を強く抱きしめる。


『……え……？』


……何で……？

何であたしの事嫌いなのに…抱きしめているの…？


「本当良かった…。突然美亜があんな事言って走り出したから…。」


あっそっか……。

あたしひどい事言って走って来たんだ。


『…あの…さっきはごめんなさい…。でも海にふられるんだったら…って思ったらいつの間にか走り出してて…。』


その事を海はキョトンとした顔でこちらを見る。


「…えっ？ふられる？誰が？」


不思議そうに問い掛けてくる。