意地悪王子と天然彼女
「そ。俺美亜の事ふる訳ねぇのにさ…。あの時本当ビックリしたんだからな。」
『…す…みません…。』
「…でも本当良かった…。」
弱弱しく震えている声で話す海。
「心配だった。急に走ってどこかに行った美亜が……。」
『ほんと……ごめんなさい…。』
「もうどこにも…行くなよ……。」
最悪だ……。
こんなにも心配してもらってたのに……。
勝手に無意味に走って…。あたし…最低だ……。
『行かないよ……どこにも…。』
あたしは海の体に手を回した。
「…あぁ…。一生離れてやんねぇから。」
『…あたしこそ…一生離れないから…。離れろって言われても離れないから…。』
あたしはギュウッと回していた腕に力を入れた。
「それはこっちのセリフだっつうの…。」
そう言って海は…あたしにキスを落とした。