意地悪王子と天然彼女


――美亜side――


あぁ……全然見つからないよ……。

どこ行っちゃったんだろう…。


歩き回ったせいか足が悲鳴を上げている。


『…少し…休もう…かな…?』

あたしは近くに腰を下ろした。


……これからどうしようかな…。

皆は全然見つからないし…。


……しかも……

『ここ…どこだろう…?』


自分で探しに来ておいて迷子になっちゃたよ…。

えっと…実はあたし…かなりの方向音痴でして……。

あー…もう…。さっきから人に迷惑掛け過ぎだ…。


少し疲れも出てきたせいか眠くなってきてあたしは体育座りをしながら顔を俯いた。


このまま迷子のままだったらどうしよ…。

早く皆を見つけなくちゃ!!

しかし立とうとした瞬間、慣れないパンプスに悲鳴を上げている足。


『…はぁ……もうダメか…。』


あたしは小さく呟いてそのまま瞳を閉じた。





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