意地悪王子と天然彼女
「……美亜…!!」
そこに居たのは美亜だった。
「美亜!大丈夫か!?」
が…しかし、返答はない。
……嘘だろ…。
冷や汗が伝うのが分かった。
俺はゆっくり美亜の顔を上げる。
『…スー…スー…zzz』
「…良かった……。」
静かに眠っていたようだ。
すぐに龍と斎藤に電話した。
「寝てるやつ起こすのは可哀想だしな…。あっ!」
そうか!背負っていくか!!
その手があった。
そして俺は美亜を起こさないようにして背中に乗せた。
「軽っ!」
声に出てしまうほど美亜は軽かった。
ちゃんと食べてんのか?
スヤスヤ気持ちよさそうに眠る美亜に癒されながら俺は足を動かした。