意地悪王子と天然彼女
『ほら…あたし覚えてないのにお仕置きとか変じゃない?』
「変じゃない。」
即答で答えられる。
こうなったら……。
『あっ今日満月だ~♪綺麗ー!』
外に向かって指をさしながら言う。
「あっ本当だな。綺麗だな…。」
海も指を指された方を向く。
よしっ!今のうちに!
逃げるしかない!!
走って出ていこうとした…が、しかし…
パシッ!
『へっ!?』
瞬時に手首を掴まれた。
「俺が引っ掛かるとでも思った?」
『……っ!!』
“えぇ思いました”なんて言える訳がない。