意地悪王子と天然彼女



『じゃあ……。』


今度こそ帰れる…。

一歩踏み出した時足音が後ろから近づいて来ていて…。


あたしは振り向いてしまった。

それが間違いだった。


『……っん!!』


いきなり近付いて来て口を塞がれた。


『ちょ…ぃや…。』


後頭部をがっしり掴まれていて身動きが出来ない。


「…いやだって?本当はこういうの好きなくせに。」


そう言ってまた塞がれた。


『…やめ…て…下さい…。』


思いっきり胸板を押すがビクともしない。


『……い…や…。』


ポロっと涙が出て来る。


「おっと…やりすぎたかな?」


そう言って口を離した。










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