意地悪王子と天然彼女
『…もう大丈夫です。気にしてないですから…』
ごめんねとか……。
呆れてものも言えなかった。
「うそー。美亜ちゃん怒ってるじゃんー…」
あたしの手を握りながら謝って来る。
『本当にもう大丈夫です……』
「本当ごめんね…」
あたしをここに何の為に呼んだんだろうこの人。
『あの…手…離してもらって良いですか…?』
ペタペタ触っている手を見ながら言う。
「あ、ごめん」
『すみません。…あたし用事があるので…もう用がなければ失礼します…』
頭をペコッと下げて言った。
「………」
反応がなかったので帰ろうと思った。
……だけど後ろで聞こえた声はとても低くビックリするものだった…。