意地悪王子と天然彼女
「……んだよ…」
聞こえるか聞こえないかくらいの音量で呟いている。
『………え…』
「俺がさっきから優しく言ってんのに何なんだよ!」
怒鳴るように言っている。
あたしは後ろを怖くて振り返れなかった。
「わざわざお前の為に優しくしてやってたのに」
まるで人が変わったみたいだ。
「全然落ちねぇからまぢ焦ったー…」
笑って言っている所がとても恐怖を感じる。
この人は本当に綾瀬先輩なのだろうか…。
「今まではどんな女だってすぐ落ちてたのに」
『………』
どんどん寒気がしてくる。
「まぁ別に良いか…。…今から落とせば。」
その瞬間後ろから抱き寄せられた。