意地悪王子と天然彼女
「そんな怖い顔して…」
さすがの綾瀬先輩も先程までとは違う様子で少し顔が引きつっている。
「黙れ。」
……とても…怖いです。
「てめぇ美亜に何したんだよ!」
綾瀬先輩の胸倉を掴みながら怒鳴っている。
「な、何もしてないよ…」
だんだん小さくなっていく先輩。
「嘘付くんじゃねぇ!!」
『……あ…の…うみ?』
おそるおそる話し掛ける。
「んだよ?」
キッとこちらを睨みつける。
『本当に綾瀬先輩は何もしてないよ……』
「本当にそうなのか?美亜もこいつを庇ってるんじゃ…」
あたしが言っても全然信じない海。
『ううん…本当に…。』
だって…何もしてないのに怒鳴られてる綾瀬先輩が少し可哀想だったから…。