Sweet Candy
ピンクの空
春。
誰もがココロを躍らせる季節。
みんなが足早に向かう場所がたくさんある。
そんな中僕は少し大きな桜の木の下を通って新しく通う高校の門をくぐった。
玄関のほうを見ると僕と似たようにダボダボの制服を着た生徒がたくさんいて1つの看板を見ている。
僕もその集団に加わる。
はたから見ると僕はこのへんてつもない集団の1人に加わっている。
そんなもんだ。
みんな集団の中に入ってしまえばその中の1員になる。
みんな同じ顔に見えてくる。
なんの輝きも感じない。
みんな看板を見て笑ったり驚いたりしてるけどその表情の中に人間はいない。
まるでそんな感じがするようだ。
自分のクラスを見て玄関に入ろうとすると1人だけ違う子がいた。
僕は一瞬で目を奪われてしまったんだ。
髪が腰まで長く栗色をしてて
目がパッチリとしていて全ての物を見透かすような瞳。
その瞳に僕は吸い込まれてしまいそうだったんだ。