異世界にて
やがて、銀髪の少年が口を開いた。
「おい、お前。目が覚める前、何やってた?」
「え…。優…友達と一緒に、新しく出来たショッピングモールに…。それで、何かに吸い込まれるような感覚がして…、それで、ここに」
ゆっくりと、落ち着いて喋る。
黒髪の少年が、「ショッピングモール…?」と首を傾げている中、銀髪の少年は真剣な表情で一点を見つめている。
「…“吸い込まれる”…。どっかで聞いたような…」
「ダルク、なんかわかったの?」
オレンジ色の髪の少年は、少女の座っているベッドに、ボスン、と腰を降ろした。
「あー…。この前集会あったの、知ってるだろ?その時に…」
ボソボソと呟くように言うため、少女には聞き取れない。