異世界にて

 やがて、銀髪の少年が口を開いた。


「おい、お前。目が覚める前、何やってた?」


「え…。優…友達と一緒に、新しく出来たショッピングモールに…。それで、何かに吸い込まれるような感覚がして…、それで、ここに」


ゆっくりと、落ち着いて喋る。

黒髪の少年が、「ショッピングモール…?」と首を傾げている中、銀髪の少年は真剣な表情で一点を見つめている。


「…“吸い込まれる”…。どっかで聞いたような…」


「ダルク、なんかわかったの?」


オレンジ色の髪の少年は、少女の座っているベッドに、ボスン、と腰を降ろした。


「あー…。この前集会あったの、知ってるだろ?その時に…」


ボソボソと呟くように言うため、少女には聞き取れない。
< 10 / 63 >

この作品をシェア

pagetop