異世界にて
「お前にもいい話だと思うけどな」
睨み付けているのがわかったのか、ニィと笑いながら少女を見つめた。
「じじぃ共のところになんか行ったら、何されっかわかんねぇぞ?それよか、ここにいた方が、何倍も安全だと思うけど?」
う…、と言葉を詰まらせる。
確かに銀髪の少年の言う通りだ。
その大三貴族の人達が、何の理由でこっちの世界に引き込んだのかがわからない以上、何をされるかもわからない。
それを考えれば、目の前にいる少年に世話になった方がマシだ。
「つーワケだ、お前今日から、ここに住め」
こうなったら…頷く以外の選択肢はない。
「はい、よろしくお願いします…」
少女はただ、頷くことしか出来なかった。