異世界にて
「飯にするか」
ケイファは嬉しそうにベッドから起き上がり、菖蒲の手を引く。
「はやくおいでよ、あーちゃん!」
「あー…ちゃん?」
ケイファに引っ張られながら、菖蒲はぽけっとする。
「そ!菖蒲だから、あーちゃん!ね、いいでしょ?」
無邪気な子供のように笑うケイファを見て、ダメなんで言える筈がない。
「あーちゃんでどうぞ」
菖蒲はクスクス笑う。
「よかった!あのね、ダルクの家のメイドさん達の料理、すっごく美味しいんだよ!」
目をキラキラさせていうケイファは、どうしても背の高い小学生に見えてしまう。
それがおかしくて、菖蒲は笑ってしまった。