異世界にて

「そんなにすげぇもんなのか?」


別に普通だろ、という感じで頬を掻く。


「そんなにすごいんです!わたしの家なんか、この屋敷の3割もいってませんよ!」


「狭っ!」


ダルクが驚いた様子で菖蒲を見る。


「ホントですよ、今の。要するに、この屋敷は相当広いってことです!」


菖蒲が両手を広げて言うのと、ケイファが扉を開けたのは同時だった。


「食事する場所は、ここだよ、あーちゃん!」


ケイファはそう言うや否や、グイッと菖蒲の腕を引っ張り、中へ入って行く。

その様子を、ロイスは少し目を見開いて見ていた。


「…驚いたなぁ…。ケイファが、僕ら以外の誰かに懐くなんて…」
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