異世界にて
「だから、それ何回も謝ったじゃん!」
オレンジ色の髪の少年が、ぶー、と口を尖らせる。
「…ケイファ、お前もう黙れ」
ダルクはふっと前を向き、スタスタと歩き始めた。
「ロイスぅー、ダルクが酷いよぉ」
ケイファと呼ばれたオレンジ色の髪の少年は、ぱっちりしたオレンジ色の瞳を潤ませ、金髪の少年に抱きつく。
「ケイファ、やめてよ。僕は女の子にしか、興味ないよ」
ロイスは苦笑しながら、ケイファを引き剥がす。
が、ケイファは離れようとしない。
「クラウド、助けてよ」
ロイスは必死に黒髪の少年、クラウドに助けを求める。
「…嫌だ」
クラウドはダルクをスタスタと追い掛けるように歩き出した。