異世界にて
「いただきます」
全員が食べ始めたのを見た菖蒲は、手を合わせ、ゆっくりとフォークとナイフを使って、口に運んだ。
「……」
4人は、そんな菖蒲の姿を、驚いたように見ていた。
「……?」
菖蒲は視線に気付き、手を止める。
「…あの、わたし何か…」
「…お前、ちゃんとマナーわかってんのな」
ダルクが感心したように言うと、菖蒲は苦笑しながら頷く。
「なんか、知らないけどわかるんですよね」
「は? 知らなくてそんなん出来るのか?貴族並なんだけど」
「そうなんですか?知らなかった…」
菖蒲はぽけっとするが、また次々と料理を平らげていく。
「ホント、美味しいですね…」