異世界にて
「今日は、さっきの部屋で寝ろ。あそこ、俺の部屋だから」
「え、ダルクさんはどこで寝るんですか!?」
男の子の部屋で寝る、という前に、菖蒲はダルクの寝床を心配する。
むしろ、男の子の部屋で寝ること自体あまり気にしていないようだ。
「この屋敷、たくさん部屋あるじゃん。なんでダルクの部屋なの?」
ケイファが欠伸をしながら尋ねる。
「散々散らかしたのは誰だ?あ? それに、埃まみれだぞ。んなとこ、寝させられるか」
「確かに」としきりと首を縦に振るロイス。
ケイファは顔を真っ青にして、苦笑いしている。
「わかったならいい。留守番、頼むぞ」
ダルクはそれだけ言うと、コートを手に持ち、踵を返した。