異世界にて
「その通り。ここにおれの居場所なんてない。あるわけがない。おれの居場所は、他にある。こんなおれを受け止めてくれる奴らがいる。そこがおれの居場所だ。それ以外、おれの居場所はない」
菖蒲はすっと足を降ろし、腕組みを解く。
「今度、おれになにかしてみろ。ただじゃ済まないぞ」
ツカツカと歩き、部屋のドアの前に立つ。
「あぁ。そうだ。いいこと教えてやるよ。おれは本当に心を開いた奴にしかこの姿は見せない。だから、ダルク達はおれの本性を見たことがない。よって…お前がこの世界で最初…ん?」
途中で言葉を切り、菖蒲は手を顎にあてる。
「…ダルクには一瞬だけ見られたかもな。だから、お前は2番目だ。嬉しく思えよ」