異世界にて

「おい…。いないのか?」


ダルクの問いかけには、誰も答えない。

ギシッ…

ベッドの方で、音がした。

ダルクはゆっくりと近付いて行く。


「……!」


ダルクの目線の先には、眠っている菖蒲が。


「こ、こいつ…!」


スヤスヤと眠ってやがる…!

ダルクはわなわなと拳を握り締め、怒声をあげる。


「てんめっ、起きろーっ!」


途端、菖蒲の体がビクッと動き、菖蒲はモソッと起き上がる。


「あ?」


やっとお目覚めのようだが…機嫌が悪い。

サクラと言い争った時の菖蒲になっている。


「何か用か?」


しかも、そのまま喋り出した。

ダルクは驚きながらも、質問に答える。
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