異世界にて

「ね、その…度々出てくる優莉ちゃんと優希ちゃん…だっけ?その二人にしか、普通に話せないの?」


「あ、あの………」


「ん?」


「優莉は女の子だけど……優希は、男の子なの……」


「へ!?」


ぽけっと口を開けるケイファ。

てっきり、二人とも女の子かと思っていたのだ。

…ダルクやロイス、クラウドもそうだが。


「双子なんですよ。二人は……あ、また敬語……」


また敬語になってしまい、慌てて口を押さえる。

……どうしても敬語が抜けない。


「双子ねぇ……。その二人は、こっちに来てんのかな?」


ケイファのこの言葉に、菖蒲はハッとした。

そうだ………、

わたしがここにいるのなら…近くにいた二人は、どうなったのだろう?
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