異世界にて
*雷*

 次の日


「…はぁ?まだ起きてない?」


朝の8時になっても、菖蒲が起きてこない。


「…はい…。何度お部屋をノックしても、返事がないのです」


と、菖蒲を起こしに行ったメイドが言うと、ダルクは椅子から立ち上がり、食堂を出て行く。


「…ダルクって本当、ご飯好きだよねー」


ケイファが言えば、ロイスとクラウドも頷く。

そして、黙って手を合わせると、黙々とご飯を食べ始めた。


ダルクはというと、早くご飯を食べたいが故に既に菖蒲の部屋へ到着し、ノックをしようとしているところだった。

…否、ノックをしようと思ったが、しないで部屋に入る。

ノックしても起きないと思ったからだ。
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