異世界にて

「……」


ダルクは黙り込み、スタスタと足を速めて食堂へと戻る。

食堂へ戻るなり、クラウドが不思議そうな顔をしてダルクに尋ねた。


「不機嫌そうな顔して……、どうしたんだ?」


「別に。……アイツは飯いらないらしいから。俺らだけで食おうぜ」


言うなり、ぱくぱくと食べ始めるダルク。

不機嫌、というよりも、不貞腐れてる、といった方がこの場合は当てはまっている。


「あーちゃん、具合悪いの?」


「知らね」


「じゃあ、ボクが後で届けてあげよー」


「待て」


ケイファが言った途端、ダルクは動く手を休ませ、ジロリとケイファを睨み付けて言った。

あの姿は、他の奴らに見せるべきじゃない。
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