異世界にて

「俺が持って行く」


「へ?」


「……なんだよ」


いきなり素っ頓狂な声をあげたケイファは、またもやダルクに睨まれる。


「ダルクさ、何かと菖蒲ちゃんのこと気にかけてるよね。もしかして……」


「ざけんな馬鹿野郎」


ケイファの代わりに、ロイスが口を開くが、ダルクがそれを遮った。


「へぇ。違うのか。てっきり惚れてたのかと思った」


が、クラウドが呆気なく最後まで言ってしまう。


「違う!阿呆かお前らっ。アイツのどこがいい!?」


「んー?可愛いとこー」


「右に同じ」

「……右に同じ?」


上から、ケイファ、ロイス、そしてクラウドだ。


「なんでクラウドだけ疑問系なんだよ」
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