異世界にて

「綺麗か…可愛いか…ってなったら、可愛いな、って」


「……もういい」


ダルクはため息を吐くと、菖蒲の分の食事を持って食堂を出て行ってしまった。


「……あんなこと言ってるけど、絶対気にはなってるよねー」


ロイスの台詞に、残りの2人は同時に頷く。

勿論、このやり取りをダルクは知らない。


 菖蒲の部屋の前についたダルクは、そっとドアの前に食事を置いて、ドアをノックする。


「飯、置いといたから。食えよ」


「…………」


菖蒲から返事は返って来なかったが、ダルクはそのまま踵を返し、3人が待っているであろう、自分の部屋へ向かった。
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