〜初恋〜アナタに溺れる

狂いだした歯車

あれから…二週間が過ぎようとしていた。

これ以上関わらないようにしよう。

そう、心に強く誓ってから一つの決心をした。

それは…

猛と絵里香の担当を外してもらうこと。

そして、しばらくの間は裏方作業に異動させてもらうこと。

先輩チーフに事情を話したら、私の意向を汲み取ってくれたんだ。

だから、あの日以来…猛には会っていない。

もちろん電話にも出ない。

絵里香には申し訳ないが、会社のせいにして担当が代わったと話した。

だって、本当のことなんて言えないじゃん?

でも…嘘をついた時、少しだけ…心が痛かったよ。


「麻乃、ランチ行こ!」

「あっ…うん。」

いけない、またボンヤリしてた。

会社の昼休みは決まって同僚の志穂と、近くのカフェに行く。

うちの会社と契約してるみたいで、社員価格で食べれちゃうの。

全部半額でね。

しかもお洒落で美味しいから、いつも学生やOLさん達でいっぱい。

夏まではオープンテラスを利用してたんだけど、さすがにこの時期は寒いから普通に中で。

「もう、すっかり落ち葉だねぇ。」

外を見ながら志穂がそう言った。

「早いよね…あと一ヶ月半で今年も終わりだしね」

地面に散らばる枯れ葉を眺めて、寂しくなる季節の訪れを感じた。




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