〜初恋〜アナタに溺れる
…え?
ちょっと…今なんて言ったの?
”別れて欲しい…”
本気で言ってるの?
「…嘘…でしょ?」
悲しい目をして私を見る健哉。
「…嘘じゃ…ないんだ…」
「ばか…ッ…健哉のばかぁ…ッ…」
泣かないつもりだったのに。
我慢しようとしたのに。
「ごめん…」
なんで…?
ねぇ、なんで?
「好きだっ…て…言っ…たじゃ…ない…ッ…キスだって…ッ…なのに…どうして…ッ…よ…」
涙のせいで上手くしゃべれない。
言いたい事はたくさんあるのに…
言葉にならなくて。
ズタズタに打ち砕かれた私の心に、健哉の衝撃の一言が深く刻み込まれる。
「彼女…妊娠してるんだ。」
は?
なに…それ。
妊娠?
「それ…って…本当に…」
「俺の子だよ」
もう…嫌。
これ以上…もう何も聞きたくない。
堪えられないよ。
あまりにも残酷すぎる。
「…帰って。」
「麻乃?」
「お願いだから…もう…帰って」
これ以上一緒にいたら、私…きっと罵倒してしまうから。