〜初恋〜アナタに溺れる
「麻乃〜?どうした?」


寝室からスエット姿の猛が出て来ちゃいました…


もう…


終わった。


そう思った。


「は?」

目を見開いて驚く絵里香。

「…え?」

イマイチ状況を飲み込めていない猛は、ポカンと口を開けたまま私達を見てる。


これって普通に考えてヤバいよね。


所謂、修羅場ってやつだ。


「…な…に?どう…いうこと?」


震える声で絞り出すように話す絵里香。


やっと把握したのか、猛が口を開いた。


「絵里香…俺さ、「最低!!二人とも最低よ!信じられない。そうやってこそこそ会って、私の気持ち無視して…っ…。バカみたい、私…許さない。絶対に許さないから!」


私と猛を交互に睨みつけて…泣きながら飛び出して行った。


とんでもないことをした。


取り返しのつかない罪を犯してしまったんだ。


追いかけなきゃ。


咄嗟にそう感じて、私は絵里香を追いかけた。


「麻乃!」

猛の声を聞き流して…止まらずに、走った。






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