〜初恋〜アナタに溺れる
二人は私の友人だと言った。

ずっとずっと前からの…大事な友人だって。


でも…

なぜ?


あなたは、そんなに切ない瞳で私を見るの?


そんなあなたを苦しそうに見つめる…彼女。


どうして?

ただの友人でしょ?


どう考えても…自惚れと思われるかもしれない…

けど、

あなたが私を見るその瞳。


すごく…愛を感じるの。

不思議だね。


でも…ごめんなさい。

何も思い出せない。


私は車に跳ねられた時、頭を打ったんだって。

幸い異常はなかったけど、その事故のショックが原因で記憶喪失になったんだ。


記憶喪失には二種類あって…

事故による後遺症のもの。


もう一つは…事故の前に余程辛い事があった場合、人間は無意識に自分を守ろうとするために記憶に蓋をしてしまうんだとか。


私の場合…精密検査の結果、後者らしい。

それを聞いた時…あの二人の様子がおかしかっんだ。


だから、この記憶のなかに二人も関係してるんだと直感した。



それから…


目を覚ました時に母親に渡されたもの。


雫の形をしたダイヤモンドのネックレス。


自分で買った記憶はない。


指輪もしていないから、恋人いなさそうだし。




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