〜初恋〜アナタに溺れる
「別に意地なんて…」

急にしょんぼりする楓さんに、私は言葉を付け足した。


「私は素直にならなかったの。だから、ダメにした。過去も今も…そして、未来も…」

「麻乃ちゃん…」

私は楓さんに手紙を託して病院を後にした。


”素直になるから”


笑顔で答えた楓さんにさよならして…。


私は母にだけ行き先を告げて、住み慣れたこの街を出る。


もちろん、仕事も辞めた。


すべてをリセットして、やり直そう。


もう、振り返らない。


真っすぐ、進むべき道を一歩ずつ歩いて行こう。




< 134 / 139 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop