〜初恋〜アナタに溺れる
―――――――――

川上 猛様、絵里香様

突然いなくなることを許してください。

記憶がなくなった私を毎日見舞って、励ましてくれて、ありがとう。

嬉しかったよ。

でも、このまま二人に甘えるわけにはいかないんです。

自分の進むべき道を歩かなければないから。

たくさん、迷惑かけて…心配かけてごめんなさい。

二人がいてくれて幸せでした。

本当に、感謝してます。


最後に一つお願いがあります。

元の二人に戻って、必ず…幸せになってください。

私の最初で最後のわがままを叶えて。

絵里香の花嫁姿キレイだろうな。

猛、絵里香。

二人の幸せを遠くから見守ってます。



それじゃぁ…


さようなら。


渋谷 麻乃


―――――――――


「……なにそれ。今更、勝手すぎるよ…。麻乃のバカ…」

「麻乃のやつ…記憶戻ってんじゃん。なんなんだよ…」


そのまま…無言で時間だけが過ぎていった。


幸せになんかなれねぇよ。


おまえがいなきゃ…意味ねぇんだよ。


バカヤロー。




< 137 / 139 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop